こんな症状がございませんか?
- 自分の声が響く・音が響く
- 二重に反響してきこえる
- 耳がボワボワする
- 耳がふさがった感じ(閉鎖感)がする
- 自分の呼吸をする音が響く
- めまい・ふらつき
耳管開放症・耳管狭窄症について
耳管開放症
耳管開放症は、耳と鼻の奥をつなぐ耳管が開きすぎてしまう。必要な時にうまく閉鎖できなくなる病気です。
耳管開放症と耳管狭窄症の症状は似ており、自分の声がきこえる、自分の呼吸の音が耳にひびく、耳がふさがった感じ(閉鎖感)がするなどの症状が起こります。
自分の声が響いて聴こえるため、声量の調節が難しい場合があります。中には臥位や前屈位で症状が改善する特徴があります。(改善しない場合もあり)
耳管狭窄症
耳管狭窄症は、耳管(耳と鼻の奥の管)がつまることで、耳がふさがった感じ(閉鎖感)、自分の声が響いて聴こえる、自分の呼吸の音が耳に響くなどの症状が起こります。
耳管狭窄症が長引くことにより、滲出液という粘液が出てきてしまい、滲出性中耳炎という病気になってしまうこともあります。
耳管開放症・耳管狭窄症の原因
耳管開放症の原因
耳管開放症は、大病を患う、無理なダイエットをするなど急激な体重減少が最も多い原因です。正常では嚥下やあくびの時のみ開く耳管が、開きっぱなしの状態となり症状が出ます。
妊娠や疲労、立位が長い、などの際に症状が特に出現しやすいようです。女性に多い傾向です。その他に、顎関節症ストレスなども原因となります。
耳管狭窄症の原因
原因の多くは、風邪・副鼻腔炎などで耳管の周りが腫れ、耳管が圧迫されることで狭まることです。
また、風邪や副鼻腔炎によって、どろどろとした鼻水や膿が耳管に流れ込んでしまい耳管狭窄症とよく似た症状になることがあります。
耳管開放症・耳管狭窄症の検査について
聴力検査、耳管機能検査、CT検査などがございます。
当院では、直接鼓膜の動きをみるV-TTAGという検査を組み合わせて診断精度を上げています。
耳管開放症・耳管狭窄症の治療について
耳管開放症の治療
生活指導、投薬、食塩水点鼻などで多くの方は改善します。
難治性耳管開放症の方は手術治療も検討します。
耳管狭窄症の治療
鼻や喉の炎症に対する治療と耳管通気を行います。
耳管通気は、鼻から耳管の入り口まで器具を入れ、直接耳管に空気を送り込む治療です。
耳管開放症の手術について
当院では2020年12月に保険の適用が認められた「耳管ピン」を使用した手術を行っています。
生活指導、投薬、食塩水点鼻などで多くの方は改善されますが、改善が見られない難治性耳管開放症の方に行われているのが耳管ピンを挿入して耳管を塞ぐ手術です。
耳管ピン手術は日本耳科学会で認定された医師・施設のみで実施できる手術です。当院は日本耳科学会の耳管ピン手術実施医・施設認定を受けた医療機関です。
手術名 | 手術時間 (執刀のみ、 準備時間除く) |
手術可能年齢 | 術前検査 | 術後休学・休職期間 (術日1日目) |
生活制限期間 (運動・飲酒) (術日1日目) |
術後診察間隔 (術日起算、順調な場合) |
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耳管ピン挿入術 | 30〜45分 | 16歳〜 | 採血 |
当日推奨 | 当日推奨 | 1週間後、1ヶ月後、2ヶ月後、 3ヶ月後、以降症例毎変動 |
耳管開放症の手術費用について
耳管開放症の手術費用は、以下の通りです。 ご不明の点がございましたら、お気軽にお問合せください。
手術名 | 3割 | 1割 | |
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耳管ピン挿入術 | 54,300円 | 18,100円 | |
- 手術費用のみの負担額です。上記に手術費用に、再診料・薬剤費などが加算されます。
- キャッシュレス決済可能
クレジットカード(VISA・Master・JCB・AMEX・DIN)でのお支払いが可能です。
耳管開放症・耳管狭窄症Q&A
耳管開放症とメニエール病の症状って似ていますか?
耳管開放症とメニエール病は共に、めまいと耳閉感がみられることがあり似ています。
耳管開放症は非回転性めまい、メニエール病は回転性めまいが多いという違いがありますが、どちらか判断するには長期間の観察や繰り返しの検査などが必要となることもあります。
耳管開放症は漢方で治るのでしょうか?
漢方薬で7〜9割程度の方に効果があったという報告もあり、まず第一に行う治療となっています。
使用する漢方薬は加味帰脾湯の他、補中益気湯、八味地黄丸、麦門冬湯、柴胡加竜骨牡蛎湯などを症状に応じ組み合わせます。
また併用治療として、生活指導やとろみをつけた食塩水点鼻を行うこともあります。
耳管狭窄症は鼻をつまんで、鼻から強く息を吐いたりすることで改善されるのでしょうか?
耳抜きをしても通らない場合に耳管狭窄症を疑います。耳抜きをして通る状態はもう耳管狭窄症が改善している、または滲出性中耳炎など別の病気の可能性があります。
耳管開放症や耳管狭窄症は本人がそこまで気にならなければ放置しておいても問題はないのでしょうか?
耳管開放症や耳管狭窄症の放置によって、滲出性中耳炎、真珠種性中耳炎、癒着性中耳炎などに至る可能性もあります。
鼻すすりの禁止などの生活指導や、定期的な治療が必要なこともありますので耳鼻科受診をご検討ください。
耳管開放症の手術の成功率はどのくらいですか?
約80%と言われています。逆に約20%は耳管ピン手術でも症状改善が得られなかったということになります。
耳管開放症は何人に一人のペースで発症しますか?
15〜333人に一人(0.3~6.6%)との報告があります。
耳管開放症の両耳の手術は可能ですか?
可能ですが、個人的に(医学的に避けるべきということではなく)、特に同時両側手術はお勧めしません。まずはより悪い方からの手術をお勧めします。
理由ですが、術後副作用が起ききった後(1-6ヶ月後)、それでもピン手術のメリットが上回ったと総合的に患者様が判断されるのであれば、反対側も検討されるのを推奨しております。
耳管開放症を放っておくとどうなりますか?
鼻すすりを繰り返すと、真珠腫性中耳炎になる可能性があります。
耳管開放症の手術のデメリットはありますか?
鼓膜穿孔、滲出性中耳炎、難聴、めまい、耳鳴りなどの後遺症が発症する可能性もあります。