コラム

2023.09.10

耳管開放症になったとき、やってはいけないことは?

耳管開放症は耳の不快感や症状を引き起こす現象で、その対処法や注意点には特に気を付ける必要があります。特に、耳管開放症になったときに避けるべき行動がいくつか存在します。今回は、耳管開放症を悪化させる可能性がある「やってはいけないこと」をいくつかご紹介します。

はじめに:耳管開放症の原因について簡単に解説

耳管開放症は急激な体重減少(大病を患ったり、無理なダイエット)に伴い発生することが一般的です。つまり、耳管開放症の原因となるようなことは「やってはいけないこと」ということになります。ただし、耳管開放症は女性の体調変化や顎関節症、ストレスによっても発症することがありますのでご注意ください。

耳管開放症のときにやってはいけないこと

日常生活に関わる、耳管開放症の際に注意すべき行動を4点ご紹介します。

1. ダイエットしすぎる

先述の通り、急激な体重減少は耳管開放症の原因となることが多く指摘されています。特に無理なダイエットは、体のバランスを崩す可能性があり、耳管の機能に悪影響を及ぼすことがあります。健康的な方法での体重管理を心掛けましょう。

2. 一日中出歩く

長時間の立位や歩行は全身の液体バランスや耳の内部の圧力に影響を与えることがあります。特に、耳管開放症の症状が現れたときは、無理に外出を控え、適度な休息を取ることが大切です。

3. 水を飲まない

水分摂取は、体のバランスを保つために極めて重要です。特に耳管開放症の場合、水分不足は内耳や全身の液体バランスを乱し、症状を悪化させることが考えられます。定期的に水分を摂取し、脱水状態を避けることが推奨されます。

4. 鼻を強くすする

強く鼻をすする行為は、耳と鼻を繋ぐ耳管に圧力をかける可能性があります。この圧力によって耳管が開いたり閉じたりする動きが活発化し、一時的には症状が良くなるかもしれませんが、耳管開放症の症状を悪化させることがあります。また、鼻すすりタイプの真珠腫性中耳炎の発症要因にもなります。鼻水が気になる場合は、ティッシュなどで優しく拭き取ることをおすすめします。

5. 立ち仕事が長くなる

「2.」の項目と関連しますが、長時間の立位は全身の液体バランスや耳の内部の圧力に影響を与えることがあります。
適宜座って休息を取る、座りながらできる仕事を合間に挟むなど、工夫してみるとよいでしょう。

6.体脂肪率が低くなる

ダイエットをしなくとも、結果的に体脂肪率が低くなる方は、耳管開放症になりやすいです。
特に、アスリートなどはダイエットをしていなくとも体脂肪率が低くなりがちですので、注意してください。実際、当院にも長距離マラソンランナーの患者さんが来院されたこともあります。

耳管開放症は、日常生活の一部の行動によって症状が悪化することがあります。

何か異変を感じたら、早めの耳鼻咽喉科医の診察を受けることをおすすめします。

★★耳管開放症の手術など、よく詳しい解説はこちらへ(当院症状解説ページに移動します)★★

文責

ばば耳鼻科クリニック 院長 馬場奨

  • ・医学博士
  • ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
  • ・日本アレルギー学会 専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医
  • ・難病指定医

2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。

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