コラム

2025.05.03

副鼻腔炎(蓄膿症)手術の後遺症や術後の経過について

こんにちは。ばば耳鼻科・日帰り手術クリニックの院長、馬場奨です。今回は、副鼻腔炎(蓄膿症、ちくのう)の手術の後遺症に関してお伝えさせていただきます。
術後の経過について日帰り手術を受けられる方にとっては、入院ではなく日帰りである分、特に気になる点かと思います。

手術後の経過と注意点

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術後は、まず術直後に副鼻腔内の粘膜が一時的に腫れ、痛み、鼻づまりや頭が重いといった症状、軽度の出血が現れることがあります。これらは、手術により病的な粘膜や鼻ポリープを除去し、副鼻腔の換気や排膿機能を改善するための反応であり、これは術後の自然な経過の一部と考えられます。通常、数日から2週間程度で徐々に改善していきます。
しかし、これらの初期症状が長期にわたり続く場合や、痛みが強くなる場合は、手術でできた傷口から感染が起きている可能性があります。その場合は早めに医師にご相談いただく必要があります。必要に応じて術後の処置や抗生剤の内服を行います。

また、手術後の出血のリスクもあります。手術で傷口ができる以上、どうしても手術後の出血がゼロ、とは言い切れません。そのため、術後の生活では2~3日間の安静の他、運動、飲酒・喫煙、遠方へのご旅行の制限をご案内しております。当院では、術後に院長直通の携帯電話番号をお伝えしますので、万一の際もなるべくご相談いただけるような体制を整えています。
このようなリスクがあるため、副鼻腔の状態を定期的にフォローアップすることが重要で、当院においても、術後の経過が良好であっても、指定したタイミングで術後の診察をお願いしております。再発の兆候や異常がないかを継続的にチェックしていくことが、安全な回復への鍵となります。

また、稀ではありますが、以下のような後遺症(手術におけるリスク)も存在します。
・鼻の麻酔が耳に入り平衡神経が麻酔されることで、術後にめまいが発生する
・術直後よりものが二重に見える、失明するリスク
・髄液漏(脳の髄液が鼻に漏れ出る、髄膜炎が起こること)
※当院ではそのような術後の重大な合併症の経験はございません。

手術の目的と役割について

なお、副鼻腔炎の手術は、副鼻腔炎による膿を除去すること、また、副鼻腔炎が再発しにくくなることを目指した治療法です。そのため、手術後は副鼻腔炎を全く発症しない、というわけではございません。
副鼻腔炎の原因の多くは、固有鼻腔の病変に由来する場合があります。手術により病変部を精密に除去するだけでなく、固有鼻腔と副鼻腔間の通り道を確保し、正常な換気と排膿ができる状態を回復させることを目的としています。これにより、将来的な副鼻腔炎の再発リスクを低減したり、万一発症した際の投薬治療の効果を改善できることが期待されます。

手術を受ける際は当然多くの不安があるかと思います。人生で鼻の日帰り手術を受ける機会は、多くても1回の方がほとんどです。そのため、当院では説明をしっかりと行い、納得して手術が受けられるように副鼻腔炎手術を日帰り手術で提供しております。

 

当院の副鼻腔炎手術について、詳しくはこちら▼

https://www.baba8733.com/sinusitis/

 

文責

ばば耳鼻科・日帰り手術クリニック 院長 馬場奨

  • ・医学博士
  • ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
  • ・日本アレルギー学会 専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医
  • ・難病指定医

2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。2024年10月には医院名を「ばば耳鼻科・日帰り手術クリニック」と改め、耳と鼻の日帰り手術に注力。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。

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