コラム

2025.05.05

副鼻腔炎(蓄膿症、ちくのう)の手術は痛いのでしょうか?

こんにちは。ばば耳鼻科・日帰り手術クリニックの院長 馬場奨です。今回は、当院で行っている内視鏡下副鼻腔手術(ESS)の特徴と、その痛みについて解説できればと思います。

誰しも、「痛い」「怖い」ことは少ない方が良いと思います。実際、副鼻腔炎の手術を当院で検討される方も、痛みについてよくご質問をいただきます。

副鼻腔炎手術について

当院では、内視鏡下副鼻腔手術(ESS)を実施しています(近年では主流の方法です)。

副鼻腔炎の手術と聞くと、怖い!というイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。昔の副鼻腔炎手術は「上顎洞根本術」、簡単にいうと「上あご・歯茎から副鼻腔に向かって、トンカチやノミで穴を開ける」ような手術でした。そのため、かなり昔に副鼻腔手術を受けられた方や、親御さんの世代から聞いた話によって、副鼻腔炎手術は怖い・痛いというイメージを持たれているのかと思います。

当院では、最新の4K内視鏡カメラとマイクロデブリッターを用い、鼻の穴から副鼻腔内にアクセスして、病的な粘膜や鼻ポリープを丁寧に除去する手術を実施しております。手術は局所麻酔下で行い、患者様への負担を極力軽減するため、日帰りで安全に治療を完了させることが可能です。

痛みへの対策

手術中は、局所麻酔と鎮痛剤を用いた鼻内麻酔により、患者様がウトウトする程度の鎮静状態となり、ほとんど痛みを感じることはありません。また、最新の鎮静技術と、Masimo社の「RRa®(アコースティック呼吸数)」モニタリングを活用し、呼吸状態をリアルタイムで把握しながら、最適な麻酔管理を行っています。

術後処置の工夫

術後は、出血防止のためにガーゼを過剰に詰め込まないよう工夫しています。手術後にガーゼを除去するとき、パンパンにガーゼが詰まっていると抜去時の痛みを訴える方が多いようです。必要最低限のガーゼを使用することで、その時の痛みや不快感を大幅に軽減しています。さらに、ガーゼ挿入時には呼吸がスムーズに行えるよう、専用の補助チューブも挿入します。これにより、ガーゼ抜去までの間の鼻づまりや息苦しさが和らぎ、患者様の回復をサポートしています。
また、通常、術後翌日にガーゼ除去を実施し、迅速に術後の環境改善を図っています。

再発予防とフォローアップ

副鼻腔炎の多くは、適切な換気と排膿機能が回復しなければ再発する傾向があります。当院では、手術による症状改善とともに、定期的な診察を通じ、再発リスクの低減に努めています。

まとめ

内視鏡での副鼻腔炎手術は、旧来の手術と比べて痛みが少なく、低侵襲な治療法です。

痛みの心配をせず副鼻腔の不快な症状から解放されるよう、当院で安心して手術を受けていただけるような工夫をしております。

当院の副鼻腔炎手術について、詳しくはこちら▼

https://www.baba8733.com/sinusitis/

文責

ばば耳鼻科・日帰り手術クリニック 院長 馬場奨

  • ・医学博士
  • ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
  • ・日本アレルギー学会 専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医
  • ・難病指定医

2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。2024年10月には医院名を「ばば耳鼻科・日帰り手術クリニック」と改め、耳と鼻の日帰り手術に注力。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。

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